今回は卵の質について詳しく情報共有していきたいと思います。
皆さん卵の質って何を基準に決めているかご存知ですか?
凍結卵保存をする時や、移植をする時に、卵のグレードを医師や培養士から伝えられる人は多いと思います。
なんとなく、グレードAが一番質が良くて、グレードB、C、D…となるにつれて悪い状態なのかな。という認識ではないですか?
私は毎回グレードを告げられるたびに、グレードAでない卵を保存して意味あるのかしら?
いくら採卵しなくてよいからといって、低いグレードの卵は障害のある子供が産まれると困るから使わないで欲しい。というようなことを考えていました。

本当は、詳しく卵のグレードのことを聞きたかったのですが、中々難しい状況でした。
というのも、卵のグレードを告げるのは培養士さんなのですが、職人気質で寡黙な方も多く、ちょっと聞きづらかったです。

卵の質、グレード分けについて調べていくと、グレードというのは思った以上に幅のあるものなのだとわかりました。
今回の記事では卵の質について、患者さんに正しく知ってもらって、治療のもやもやしたストレスを改善して欲しくて書きました。
是非参考になりそうなことがあったら、読んでみて下さい。

良い卵とはなにか?

まず大前提ですが、良い卵とは、『着床率の高い卵』のことです。
しかし、色々な角度から検討しないと着床率が高い卵かはわかりません。
どんな基準を設けているかはとても複雑です。
分類の方法はいくつもあり、ガードナー(Gardner)の分類やビーク(Veek)の分類は有名です。
また、病院によって独自の基準を設けている所もあります。
私は転院したのですが、一方ではグレードはAなどのアルファベット表記、もう一方ではグレード1など数字表記でした。
なので、そんなに分類名などを詳しく知っても患者の私達は、かえってわかりにくくなってしまうと思います。
そこで分類の基準を一つずつわかりやすく説明しようと思います。

均一性とフラグメント(断片)の有無

卵の写真を見たことはありますか?
卵は受精すると2分割→4分割→8分割→桑実胚→胚盤胞という経過をたどって安定な形になります。
凍結卵を保存する時は、分割している分割卵の場合か、胚盤胞の場合が多いと思います。

先に均一性についてお話しします。卵の均一性とは、分割する際に等分になっているかです。
綺麗に卵が半分に分かれていれば、均一性があるといえます。
質の悪い卵だと、不均一…つまり不均等な割れ方をします。ひょうたんみたいだったり、いびつです。
なので、綺麗に卵が割れているかをしっかりとチェックします。
この卵はどんどん分割が進むと胎児になっていきます。
なので、変な分割をしてしまうと赤ちゃんの形をきちんと作れないのです。

次にフラグメント(断片)についてです。
フラグメントとは、日本語にすると断片や、かけら、破片のことです。
先ほど説明した分割を行っている時に、うまく分割できないと、かけらが出てきてしまうのです。
イメージとしては、パンを切る時にパン屑が出ますよね。
パン屑は少なければ少ないほど、綺麗にパンは切れています。
卵も同じで、フラグメント(断片)が少なければ少ないほど、綺麗に分割できた指標になります。

発育スピード

「勢いのある卵だねえ」なんて言われたことありませんか?
卵は受精すると、2分割→4分割→8分割→桑実胚→胚盤胞という経過をたどって安定な形になるとお話しました。
その経過がどれくらい早く進むかというスピードが大切です。
同じように綺麗な分割をしていたら、その綺麗な分割をするのにどのくらいの時間がかかったかでグレードを分けます。
綺麗に分割していても、スピードがゆっくりだと、何か目に見えない問題があると判断するのです。

母体の年齢

これは驚いたのですが、母親の年齢によっても分類があります。
理由は、耳が痛いですが、加齢による卵の質の劣化はしっかりとした科学的根拠があるからです。
なので、いかに他の条件(均一性、フラグメント、発育スピード)が良くても、年齢が高いと良い卵と評価されないのです。
私はこの年齢の条件を聞いた時に、グレードを気にするのはやめようと思いました。
他の条件が良くなる可能性はあっても、年齢だけはもう動かしようがない事実なので、悩むだけ無駄だなと思いました。

なぜ卵をグレード分けするか?

良い卵は着床率が高くなるという理屈はわかっていただけると思います。
でも、そこから一歩踏み込んで、なぜこんなに細かく分けるか、それは移植する卵の順位付けを行わないといけないからです。
順位付けをすることで、卵をいくつ保存するか、どの卵から移植していくか、決定に迷いがなくなります。

私の担当医は、「どの卵が本当に着床するかは、まだまだ研究段階で、わかっている範囲の項目だけチェックしている。それでも順位付けしないと、決定できない。なぜなら、卵を選ぶということは、命を選別するということ。私達医師は科学的な根拠に基づいて、機械的に選別して、着床確率を高めることしかできない。」と言いました。

不妊治療をしていると忘れそうになりますが、本当だったら神様がすることを人間がやっているんだと気付かされた瞬間でした。
私はそのおかげで子供を持つことができました。
なので、その医療行為を否定するつもりはありませんが、医療行為を行う側からすると、命の選別って恐れ多すぎますよね。
だから、細かく基準を設けるそうです。
人的な介入がなるべくないようにする為に、細かく分かれているだけなのです。
患者側はグレードAの卵が無いからダメだなんて落ち込まずに、順番通りに移植を受ければ、今の医学ではそれが正解なのです。
私の子供はグレードCでした。でも元気いっぱい、今のところ障害もなく育っています。
凍結できたということは、着床する可能性の低い卵はその中にないので安心して下さい。

私の治療経過

2回目の受診の時に、前回の記事に載せた基礎体温表の確認とともに超音波で卵巣造影もして貰いました。

超音波の写真をみると生理3日目なのにとても大きな卵胞が見えました。生理3日目にこんなに大きな卵胞が残っているのはおかしいことで前の周期の排卵出来なかった卵と判断出来るそうです。

私の場合は高齢だったのと多嚢胞性卵胞だったため中々良いグレードの受精卵が育たず苦戦しました。一般的に年齢が若い方が良いグレードの受精卵が出来やすいそうです。

まとめ

今回は、卵の質について詳しくまとめてみました。
私は治療中に、待合室やメールなどで連絡を取り合う不妊治療仲間がいたのですが、みんなでよく卵の質について話していました。
そしてみんなでグレードの良し悪しで一喜一憂していました。
今となっては、グレードCでも妊娠できたので、凍結卵にできたなら大丈夫と大きく構えられますが、当時はそんな余裕ありませんでした。
かなりストレスを溜め込んだし、辛い重いをしたので、今回この記事を読んだ方にはそんな思いをして欲しくないです。
この情報共有が、どなたかの役に立てることを願っています。