多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
今回は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の何が妊娠に悪いのか、私が感じているPCOSのメリット、デメリットについて詳しくお話していきます。
私の場合は2度目の受診時に、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だと医師から告げられました。

不妊治療をしていると、PCOSという単語をよく耳にしませんか?
日本語だと、多嚢胞性卵巣症候群と書き、(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)と読みます。
漢字が難しいので、まず読み方がわからないですよね。

意外に感じられるかもしれませんが、PCOSだからこそ、有効に治療すれば、時間や治療費の節約になる場合もあります。
私と同じPCOSの患者さんは、PCOSだからといって、落ち込みすぎないでください。

とはいえ、病気というのはわかると落ち込みますよね。
私もとても落ち込んだので、病気の正体についてたくさん調べました。
医学書やネットで調べたり、医師や看護師に質問したりと、かなり理解を深められたと思います。
負のパワーって時に、大きな力になりますよね。

この私の必死な行為が、これからPCOSの治療を始める患者さん、現在治療をしていて悩んでいる患者さんの参考になれば、こんなに素敵なことはありません。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の基礎知識

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、小さな卵を選別せずにすべて育ててしまっている状態です。
本当なら、用意された卵の中から、質のよいものを1〜2個だけ育てます。
しかし、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人は、用意された卵を全部育ててしまうので、うまく育てられません。
その結果、しっかり排卵できない、または排卵しない状態をさします。
よりわかりやすく例えると、野菜を育てようと種をまくと、途中で間引きしますよね?
その間引きをせずに、育ててしまうため、十分な栄養がいかずに、うまく育てることができないのです。
そのようなことが、卵でも起きていると思ってください。

基礎体温表を確認して、2相になっていないなど、排卵していないサインが出ている場合は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断基準の定義

以下の基準が、医学的に医師が、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を診断する基準です。

  1. 月経異常
  2. 多嚢胞卵巣
  3. 血中男性ホルモン高値  または LH基礎値高値かつ FSH基礎値正常

以上の 1~3のすべてを満たす場合を多嚢胞性卵巣症候群とする

上述した診断基準の定義についてひとつひとつみていきましょう。
1つ目の月経異常とは、生理がなかったり、生理の周期が普通を28日周期とすると長すぎたりする場合です。
2つ目の多嚢胞性卵巣とは、通常は1周期につき、1〜2個の卵しか卵が育ちませんが、かなり多数の卵が育ってしまう場合です。
3つ目のホルモンについては、私たち患者にはよくわからないのですが、血液検査をして医師が確認してくれます。
この3つすべてを満たすと、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されます。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が妊娠に及ぼす影響

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だと質のよい卵を排卵できないので、受精卵を作ることが難しいです。
排卵時期を予測しづらいので、タイミングをとりにくいですし、質が悪いので受精する能力も低いといわれます。
また、受精したとしても、受精卵が途中でダメになってしまうことが多いそうです。
以上のことから、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人は自然妊娠しにくいといわれています。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は双子を妊娠しやすい?

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人は双子を妊娠しやすいと聞いたことがありませんか?
有名な話で、妊娠に関わるので記載しておきます。

結果からいうと、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だから双子を妊娠しやすいということはありません。

しかし、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人は排卵しにくいので、治療薬としてフェマーラ(レトロゾール)やクロミッド(クロミフェン)などの排卵誘発剤を使うことが多いです。
この排卵誘発剤のクロミッド(クロミフェン)の副作用で、双子を妊娠する人が多いという調査結果があります。

クロミッド(クロミフェン)は、用意された卵すべてを育てて排卵を促します。
そのため、複数の卵が受精卵になり、双子が妊娠しやすくなるそうです。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療と原因

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因は正確にはわかっていません。
食習慣や、肥満度、睡眠時間やストレス、ダイエットなどが関係しているという報告もありますが、科学的に証明されているわけではありません。

そこまで神経質になる必要はないかと思います。
神経質になりすぎると、不妊治療患者を食い物にした商品や、治療に手を出しやすくなってしまうからです。
具体的には、病院で行う治療以外の、サプリメント、占い、祈祷、漢方、鍼灸などのことです。

病院の先生からは、「変なことをしないで、治療を淡々としていくしかないよ。」とよく言われました。
何かにすがりたい気持ちは、私も体験したのでよくわかります。
しかし今では、その分のお金を治療費に回した方が、もっと効率的だったなと思います。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療

多くの多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人は、古い卵がどんどん地層のように残ってしまっているので、まずはこの古い卵の地層をなくして、新鮮な卵ができる環境を作らないといけません。
よい卵を作る為に、女性ホルモンを注射して、強制的に古い卵を排卵させる治療をします。

排卵した後に、まだ残っている卵を確実に消失させるために、ピルも飲みました。
このピルを飲む必要性があるかないかは、医師が今までの経過や、基礎体温表を確認して、判断してくれます。

この治療に使う薬は、排卵させるためのスプレキュアという薬です。
この薬の詳しい成分や作用の仕方、使用方法などは覚書きに詳しくまとめますね。
ピルは副作用があるので、使う際にはしっかり医師から、説明を受けてください。
気をつけるべき点などは、こちらも覚書きにまとめます。

しっかりと古い卵の地層を排出できた後は、上手に卵を育てられるようにフェマーラ(レトロゾール)やクロミッド(クロミフェン)などの排卵誘発剤や、卵巣を直接刺激する女性ホルモンを使用します。
どの薬を使うかは、病院の方針や、患者の状態をみて行うのでよく医師と話し合ってください。

古い卵の強制排卵は、だいたい2〜3周期必要といわれます。
排卵と調整周期を合わせて、だいたい6ヶ月治療すると、新鮮な卵を育てる環境が整えられると医師に説明されました。

治療を始めても、あと6ヶ月は採卵すらできないというのは、気が重いですよね。
早く妊娠したいのに道のりはまだまだ長いんだと、とても悲しい気持ちになりました。
たしかに、卵によい環境を作るのには時間がかかりましたが、その後の治療に関して、逆に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で良かったなと思えることもありました。
これは、あまり一般的には聞かない話なので、少し楽しい気持ちになってもらいたくて、私見ですが述べたいと思います。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のメリット・デメリット

デメリットに関しては、今まで述べてきた通りです。
採卵などの治療に取りかかるために、半年という長い時間が必要です。
また、質のよい卵を育てにくい状況なので、卵の質自体も問題があります。

一方メリットですが、しっかりとよい卵を作る環境を整えてあげれば、たくさん卵を作ることができます。
したがって、採卵する際に、たくさんの卵を採卵することができるのです。
通常では、1つだけ育てる方が、質が高くよい卵を作ることができます。
一方で、体外受精の採卵の場合は、採卵後に育てるのは培養液の中なので、たっぷり栄養があるのです。
受精させて凍結卵にしておけば、一度の採卵でたくさん妊娠するチャンスを作れます。

不妊治療をして、一番ツライ医療行為は皆さんなんですか?
私は採卵が1番痛くて嫌いでした。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人は、採卵の数を少なくすることができます。
そういう面では、精神的にも、経済的にもメリットが大きいのです。

PCOSだからできるオススメの治療法

1周期でたくさんの卵を育てることができることを利用して、1度の採卵でたくさんの卵を受精させて、凍結卵保存させておくことをお勧めします。
また、卵の質の問題ですが、凍結卵は病院の基準から、凍結可能と判断された受精卵だけ凍結されます。
つまり、卵が凍結されたということは、質が高いと判断されるそうです。
実際私も凍結した卵で妊娠しましたが、無事に出産しています。
子供にはとくに障害などはありません。

私の治療経過

私は基礎体温表を持参して、2度目の受診にむかいました。
基礎体温表はガタガタで、まったくきれいな2相にはなっていませんでした。
「低温期と高温期の二層にならないのは排卵しておらず、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)なので、治療していきましょう」と担当医師に説明されました。

今すぐ妊娠したいのに、卵を取るためだけに、これから半年かかるってかなり長いですよね。とてもがっかりしたのを覚えています。